遺言書の作成費用はいくら?自筆・公正証書・行政書士に依頼する場合を比較

遺言書の作成費用はいくら?自筆・公正証書・行政書士に依頼する場合を比較 未分類

「遺言書を作りたいけれど、いくらかかるの?」

「自分で書けば無料?行政書士に頼むとどのくらい?」

「公正証書遺言にすると高くなる?」

遺言書を作成するときの費用は、どの種類の遺言書を作るか、専門家にどこまで依頼するかによって大きく変わります。

大きく分けると、

  • 自分で自筆証書遺言を作る
  • 自筆証書遺言を法務局に保管する
  • 公正証書遺言を作る
  • 行政書士などの専門家に作成をサポートしてもらう

といった方法があります。

自分で作成すれば費用をかなり抑えられる一方、遺言書は法律で方式が決められているため、内容や形式に問題があると、せっかく作った遺言が希望どおりに機能しない可能性もあります。

この記事では、遺言書の作成費用について、自筆証書遺言・公正証書遺言・行政書士に依頼する場合に分けてわかりやすく解説します。

※本記事は2026年8月時点の制度・手数料に基づいています。

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遺言書の作成費用はいくら?まずは一覧で比較

遺言書を作る方法ごとの費用を、大まかに整理すると次のようになります。

作成方法主な費用
自筆証書遺言を自分で作成基本的には作成手数料なし
自筆証書遺言+法務局保管保管申請1件3,900円
公正証書遺言財産額・財産を受け取る人数などによって公証人手数料が変動
行政書士へ作成支援を依頼事務所・依頼内容によって異なる
行政書士+公正証書遺言行政書士報酬+公証人手数料等

「遺言書を作るのに○万円必要」と一律に決まっているわけではありません。

特に公正証書遺言の場合は、遺言によって財産を受け取る人と、その人が受け取る財産の価額によって公証人手数料が変わります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自筆証書遺言を自分で作る場合の費用

自筆証書遺言とは、原則として遺言者本人が自書して作る遺言書です。

紙や筆記用具などを除けば、自分で作成すること自体に公的な作成手数料はかかりません。

そのため、

「まずは費用をかけずに遺言書を作りたい」

という場合には最も始めやすい方法です。

ただし、自筆証書遺言は法律で作成方法が定められています。

日付や署名、本文の自書など、必要な方式を守らなければならないため、単に希望を書き残せばよいわけではありません。

また、自宅で保管する場合には、紛失したり、亡くなった後に家族から発見されなかったりする可能性もあります。

自宅で保管した自筆証書遺言は検認が必要

自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、原則として遺言者が亡くなった後に家庭裁判所で「検認」の手続きを行います。

検認の申立費用は、遺言書1通につき収入印紙800円と連絡用の郵便料です。

検認後に検認済証明書を取得する場合には、さらに遺言書1通につき150円の収入印紙が必要です。

つまり、自分で書けば作成時の費用はほとんどかからなくても、亡くなった後に家族が手続きをする必要があります。

自筆証書遺言を法務局に預ける場合の費用は3,900円

自筆証書遺言には、作成した遺言書を法務局で保管してもらう自筆証書遺言書保管制度があります。

2026年8月現在、保管申請の手数料は、

遺言書1通につき3,900円

です。

保管期間によって追加料金が発生する仕組みではなく、申請時の3,900円で保管されます。

法務局で保管すると、

  • 紛失や改ざんを防ぎやすい
  • 相続人に発見されないリスクを抑えられる
  • 相続開始後の家庭裁判所による検認が不要

といったメリットがあります。

そのため、

「自分で遺言書を作って費用は抑えたいけれど、自宅保管は不安」

という方には検討しやすい方法です。

ただし、法務局の保管制度を利用したからといって、遺言内容の法的な有効性まで保証されるわけではありません。

遺言で実現したい内容が複雑な場合には、作成前に専門家へ相談する方法もあります。

公正証書遺言の作成費用はいくら?

公正証書遺言とは、公証人が遺言者の意思を確認し、公正証書として作成する遺言です。

自筆証書遺言と違い、自分で自由に料金を決められるものではなく、公証人手数料令に基づく手数料がかかります。

公証人手数料は2025年10月1日に改定されているため、古い記事を見る際には注意が必要です。

現在の基本的な手数料表は次のとおりです。

財産の目的価額手数料
50万円以下3,000円
50万円超~100万円以下5,000円
100万円超~200万円以下7,000円
200万円超~500万円以下13,000円
500万円超~1,000万円以下20,000円
1,000万円超~3,000万円以下26,000円
3,000万円超~5,000万円以下33,000円
5,000万円超~1億円以下49,000円

ただし、ここで注意したいのが、

「財産総額を表に当てはめれば終わり」ではない

ということです。

財産を受け取る人ごとに手数料を計算する

公正証書遺言では、遺言によって財産を受け取る相続人・受遺者ごとに、その人が受け取る財産額をもとに手数料を計算し、それを合計します。

たとえば日本公証人連合会は、

妻に6,000万円、長男に4,000万円を相続させるケースでは、

  • 妻:49,000円
  • 長男:33,000円

となり、まず82,000円になります。

さらに、1通の遺言公正証書の目的価額の合計が1億円以下の場合には、遺言加算13,000円が加わるため、この例では95,000円となります。

そのため、公正証書遺言の費用は、

「財産が3,000万円だから26,000円」

と単純には判断できません。

財産の分け方や人数によって変わることを覚えておきましょう。

公正証書遺言では証人や書類の費用も考えておく

公正証書遺言を作る際には、原則として証人2人の立会いが必要です。

親族などから証人を用意できない場合には、公証役場や専門家へ証人の手配を相談することもあり、その場合は別途費用が発生する場合があります。

また、

  • 戸籍謄本
  • 登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書等
  • 公正証書の正本・謄本等

などに費用がかかる場合もあります。

2025年10月以降、公正証書に関する紙の書面交付は用紙1枚につき300円、電子データでの提供は1通2,500円など、関連手数料も改定されています。

公証人に出張してもらう場合は追加費用がかかる

高齢や病気などによって公証役場まで出向くことが難しい場合には、公証人に自宅や病院、施設などへ出張してもらって遺言公正証書を作成できる場合があります。

この場合には、通常の手数料に加えて、

  • 病床執務による加算
  • 旅費
  • 日当

などが発生することがあります。

日本公証人連合会によると、日当は1日2万円、4時間までの場合は1万円で、別途旅費の実費も必要です。

行政書士に遺言書作成を依頼するといくら?

行政書士に遺言書の作成支援を依頼する場合、全国一律の料金はありません。

各行政書士がそれぞれ報酬額を設定しています。

日本行政書士会連合会も、行政書士の報酬額については各行政書士が自由に定めるものと案内しています。

ただし、全国の行政書士を対象とした報酬額統計が公表されているため、一つの参考になります。

最新調査では平均76,855円

日本行政書士会連合会が2026年に公表した「令和7年度報酬額統計調査」では、

「遺言書の起案及び作成指導」

について、459件の回答があり、

  • 平均:76,855円
  • 最頻値:50,000円
  • 最小値:3,000円
  • 最大値:304,400円

という結果になっています。

なお、この統計の金額には消費税が含まれていますが、立替金は含まれていません。

したがって、

「行政書士に頼めば必ず5万円」

という意味ではありません。

財産調査、相続人調査、公証役場との調整、必要書類の取得、証人手配など、どの業務まで料金に含むのかによって費用は変わります。

行政書士に依頼すると何をしてもらえる?

行政書士は、遺言書作成の支援を行う専門家です。

日本行政書士会連合会も、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言について遺言書作成を支援することを行政書士の業務として案内しています。

具体的なサポート内容は事務所によって異なりますが、たとえば、

  • 本人の希望のヒアリング
  • 財産の整理
  • 相続人関係の確認
  • 遺言書の文案作成支援
  • 必要書類の案内・収集
  • 公正証書遺言の場合の公証役場との調整
  • 証人の手配
  • 遺言執行者についての検討

などがあります。

自分で一から調べて遺言書を作る場合と比較すると費用はかかりますが、

「自分の希望をどう遺言書に落とし込めばよいかわからない」

という場合には、専門家と一緒に整理できることがメリットです。

自筆証書遺言と公正証書遺言、結局どちらが安い?

費用だけで比べれば、基本的には自筆証書遺言の方が安く作れます。

自分で作れば作成手数料はほぼかからず、法務局へ預けても3,900円です。

一方、公正証書遺言には公証人手数料などが必要です。

ただし、

「作るときに安い=自分にとって最も良い遺言」

とは限りません。

たとえば、

  • 相続人が多い
  • 不動産がある
  • 再婚している
  • 前婚の子がいる
  • 子どもがいない夫婦
  • 相続人以外にも財産を渡したい
  • 家族間でトラブルになる心配がある

といったケースでは、遺言内容そのものを慎重に検討した方がよい場合があります。

遺言書に不備があったり、本人の希望が適切に反映されていなかったりすると、亡くなった後に家族が困ることにもなりかねません。

費用だけでなく、

「なぜ遺言書を作るのか」

まで考えて作成方法を選びましょう。

遺言書の費用を比較するときに確認したいこと

専門家へ依頼するときは、表示されている料金だけを見るのではなく、何が料金に含まれているのかを確認することが重要です。

たとえば、

「遺言書作成 5万円」

と書いてあっても、

  • 財産調査は含むのか
  • 相続人調査は含むのか
  • 戸籍取得は含むのか
  • 公証役場とのやり取りは含むのか
  • 証人手配は含むのか
  • 公証人手数料は別なのか
  • 遺言執行者の費用は別なのか

によって総額は変わります。

基本料金だけでなく、最終的にどの程度の費用になる可能性があるのかを相談前に確認すると安心です。

遺言書は誰に頼めばいい?

遺言書について相談できる専門家には、行政書士のほか、弁護士や司法書士などもいます。

どこへ相談するのが適しているかは、状況によって異なります。

一般的には、

  • 遺言内容や書類作成について相談したい → 行政書士など
  • すでに相続人同士で争いがある・争いが予想される → 弁護士
  • 相続後の不動産登記について相談したい → 司法書士
  • 相続税について相談したい → 税理士

というように、相談内容によって専門分野が異なります。

行政書士は、法的紛争段階にある事案や税務・登記申請などを除き、遺言・相続に関する書類作成や調査の支援を行っています。

最初から必要な専門家が分からない場合には、現在の状況を伝えたうえで相談先を確認する方法もあります。

遺言書の費用だけではなく「家族が困らないか」も考える

遺言書を作ろうと思ったとき、

「一番安く作るにはどうすればいいか」

を考えるのは自然なことです。

ただ、遺言書を作る本来の目的は、書類そのものを完成させることではありません。

たとえば、

  • 自宅を誰に残したいのか
  • 配偶者の生活をどう守りたいのか
  • 子ども同士で揉めてほしくない
  • お世話になった人へ財産を残したい
  • 自分の想いを家族へ伝えたい

といった希望を、亡くなった後にもできるだけ実現できるようにすることが重要です。

そのため、

「3,900円で済むから法務局保管にする」

「費用が高くても公正証書遺言にする」

と金額だけで決めるのではなく、

家族構成、財産、健康状態、本人の希望を整理したうえで選ぶことをおすすめします。

まとめ|遺言書の作成費用は方法によって大きく異なる

遺言書を作る費用は、作成方法によって異なります。

自筆証書遺言を自分で作成するなら、作成自体には基本的に費用はかかりません。

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する場合は、1件3,900円です。

公正証書遺言の場合は、財産を受け取る人と財産額などによって公証人手数料が決まります。

行政書士へ遺言書の起案・作成指導を依頼する場合、2026年公表の全国調査では平均76,855円、最頻値50,000円でしたが、実際の料金は事務所や依頼内容によって異なります。

大切なのは、

「最も安く作れる方法」を探すだけではなく、「自分の想いを実現し、残された家族が困りにくい方法」を選ぶことです。

費用だけでは判断しにくい場合は、作成する前に専門家へ相談してみるのも一つの方法です。

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