「親にもそろそろ終活をしてほしいけれど、どう切り出せばいいかわからない」
「まだ元気なのに、相続や介護の話をするのは早い気がする」
「何を確認しておけば、いざというとき家族が困らないのだろう」
親の終活が気になっていても、実際に話し始めるのは簡単ではありません。
特に「相続」「介護」「葬儀」といった話題は、親からすると「まだ元気なのに」と感じたり、子どもからすると財産の話をしているようで切り出しにくかったりします。
しかし終活は、亡くなった後の準備だけをするものではありません。
これからどのように暮らしたいのか、どのような医療や介護を望むのか、大切な財産をどうしていきたいのかを、本人と家族で少しずつ整理していくことも終活の大切な役割です。
この記事では、親の終活を何から始めればよいのか、家族で話しておきたいことや、自然に話を切り出すコツを解説します。
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親の終活は「元気なうち」に始めるのがおすすめ
終活というと、
「もっと高齢になってから」
「病気になってから」
「介護が必要になってから」
と考える方もいるかもしれません。
しかし実際には、本人が元気で、自分の希望を十分に話せる時期から少しずつ始める方が進めやすいでしょう。
厚生労働省も「人生会議(ACP)」として、もしものときに望む医療やケア、大切にしたいことについて、本人と家族、医療・ケアチームなどが前もって考え、繰り返し話し合うことを案内しています。大切なのは一度ですべてを決めることではなく、気持ちの変化に合わせて何度でも話し合うことです。
法律上の準備についても、早めに考える意味があります。
たとえば任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来誰にどのような支援を任せるのかを公正証書による契約で決めておく制度です。
つまり、
「必要になってから全部考えよう」では、選びにくくなる方法もある
ということです。
すぐに契約や遺言書作成をする必要はありません。
まずは親がどのような生活を望んでいるのかを、家族が知っておくところから始めてみましょう。
親の終活で家族と話しておきたい5つのこと
終活にはさまざまな準備があります。
「何から話せばいいかわからない」という場合は、次の5つに分けて考えると整理しやすくなります。
1.医療や治療について
最初に確認したいのが、親自身が医療や治療についてどのように考えているかです。
たとえば、
- 現在どの病院に通っているか
- どのような薬を服用しているか
- かかりつけ医は誰か
- 持病やアレルギーはあるか
- 今後どのような医療を受けたいか
- もしものとき誰に判断を相談してほしいか
などです。
特に薬や通院については、本人にとっても比較的話しやすいテーマです。
いきなり、
「相続について話そう」
と切り出すより、
「最近薬が増えたけれど、病院では何て言われているの?」
「もし入院することになったら、どこに連絡すればいい?」
という日常の会話から始める方が自然な場合もあります。
厚生労働省が推進する「人生会議」でも、本人が大切にしたいことや希望する医療・ケアについて、家族などと共有しておくことが大切だとされています。
2.介護やこれからの住まいについて
親が元気なうちは、
「ずっとこの家で暮らしたい」
と思っていても、身体の状態によっては介護サービスや施設について考える時期が来ることがあります。
事前に、
- できるだけ自宅で暮らしたいのか
- 介護が必要になった場合はどうしたいか
- 家族にどこまで頼りたいか
- デイサービスや訪問介護をどう考えているか
- 施設入所についてどう考えているか
- 誰に主に相談してほしいか
などを聞いておくと、家族も判断しやすくなります。
ここで重要なのは、家族が「こうした方がいい」と決めてしまうのではなく、まず本人の希望を聞くことです。
希望が将来変わることもあります。
一度決めて終わりではなく、そのときの健康状態や生活状況に合わせて話し直していきましょう。
3.お金や財産について
親のお金について聞くのは、子どもにとって特にハードルが高いテーマかもしれません。
ただし、いざ親自身で管理することが難しくなってから、
「どの銀行を使っているかわからない」
「どんな保険に加入しているかわからない」
「不動産の権利関係がわからない」
となると、家族の負担が大きくなります。
まずは金額を細かく聞くより、
- 利用している銀行
- 証券口座
- 生命保険
- 不動産
- 借入金
- 年金
- クレジットカード
- 定期的な支払い
- 大切な書類の保管場所
など、「何を持っているか」だけでも一覧にしておくとよいでしょう。
エンディングノートなどを使って整理する方法もあります。
また、本人の判断能力が低下した場合の財産管理について心配があるなら、任意後見などの制度を元気なうちに検討する方法もあります。
4.相続や遺言について
終活を考えるうえで、相続や遺言も避けて通れないテーマです。
たとえば、
- 誰が相続人になるのか
- どのような財産があるのか
- 不動産をどうしたいか
- 特定の人に残したい財産があるか
- 家族へ伝えておきたい希望があるか
- 遺言書を作る必要がありそうか
などを整理しておきます。
遺言書には、自分で作成する自筆証書遺言や、公証人が作成に関与する公正証書遺言などがあります。
また、自筆証書遺言については法務局で保管する制度もあります。
ただし、すべての家庭で遺言書が必要とは限りません。
家族構成や財産の内容、本人の希望によって必要な準備は異なります。
まず状況を整理してから、必要な制度を選ぶことが大切です。
5.葬儀・お墓・亡くなった後の希望について
話しづらいテーマではありますが、本人の希望を聞いておくと家族の負担を減らせる可能性があります。
たとえば、
- 葬儀をどのようにしたいか
- 誰に知らせてほしいか
- お墓をどうしたいか
- 大切な物を誰に渡したいか
- SNSやスマートフォンなどのデジタル情報をどうしたいか
- ペットがいる場合は誰にお願いしたいか
などです。
すべてを細かく決める必要はありません。
「大きな葬儀はしなくていい」
「この人には知らせてほしい」
といった本人の希望が一つ分かっているだけでも、家族が迷ったときの判断材料になります。
親に終活の話をどう切り出せばいい?
親の終活で最も難しいのは、内容よりも最初の一言かもしれません。
無理に「終活」という言葉を使う必要はありません。
「相続の話をしよう」から始めない
最初から財産や相続の話をすると、
「財産を知りたいだけなのでは?」
「まだ死ぬつもりはない」
と親が身構えてしまう可能性があります。
まずは、
「これからも元気に暮らすために、何かあったときのことだけ確認しておきたい」
という伝え方でもよいでしょう。
薬や通院をきっかけにする
おもいつむぐ行政書士事務所では、親の薬や通院の変化も、家族でこれからについて考える一つのきっかけになると考えています。
たとえば、
「薬が増えてきたけど、飲み忘れたりしてない?」
「今通っている病院を私も知っておいた方がいいかな?」
「もし入院したら、誰に連絡してほしい?」
といった会話です。
そこから、
「これから介護が必要になったらどうしたい?」
「大事な書類ってどこに置いてある?」
と、少しずつ話題を広げていくことができます。
自分の終活から話してみる
「お父さん・お母さんも終活してよ」と言うより、
「自分も最近、保険や口座を整理しようと思っていて」
「もし自分に何かあったときのこともまとめておこうと思うんだけど」
と、自分の話から入る方法もあります。
「親だけに準備させる」のではなく、家族みんなの話として考えると受け入れてもらいやすくなることがあります。
テレビや知人の話をきっかけにする
ニュースやテレビ番組、親戚・知人の出来事も自然なきっかけになります。
「○○さん、施設に入ったらしいね。自分だったらどうしたい?」
「テレビでエンディングノートの特集をやっていたけど、こういうのってどう思う?」
くらいの軽い会話から始めて構いません。
親が終活をしたがらないときは?
終活が大切だと分かっていても、親本人が乗り気とは限りません。
その場合は、無理に進めないことも大切です。
避けたいのは、
- 一度の話し合いですべて決めようとする
- 財産額から聞き始める
- 「今やらないと困る」と不安をあおる
- 子どもだけで結論を決める
- 本人の希望より家族の都合を優先する
といった進め方です。
厚生労働省も、人生会議について「一度決めたら終わり」ではなく、気持ちの変化に応じて繰り返し話し合うことの重要性を示しています。
今日は医療のこと。
次回は家のこと。
その次はお金のこと。
というように、少しずつ進めれば十分です。
まずはエンディングノートから始める方法もある
「制度や契約の話はまだ早い」と感じるなら、エンディングノートを使ってみる方法があります。
たとえば、
- 自分の基本情報
- 緊急連絡先
- 医療・介護についての希望
- 財産の情報
- 保険
- 大切な人の連絡先
- 葬儀・お墓について
- 家族へ伝えたいこと
などを書き出します。
家族全員で一冊ずつ作ってみてもよいでしょう。
ただし、エンディングノートそのものは遺言書とは役割が異なります。
財産の承継などについて法的な効力を持たせたい場合には、遺言書など適切な方法を別途検討する必要があります。
終活では「今・これから・亡くなった後」を分けて考える
親の終活を整理するときは、時間軸で考えると分かりやすくなります。
今
- 医療・薬
- 現在の生活
- お金・財産
- 家族関係
これから
- 介護
- 住まい
- 財産管理
- 任意後見
- 医療・ケアについての希望
亡くなった後
- 遺言・相続
- 葬儀
- お墓
- 遺品
- 各種手続き
こうして分けると、
「全部終活だから今すぐ決めなくてはいけない」
ということではないと分かります。
今必要なことから、一つずつ整理していけばよいのです。
家族だけでは話しにくいときは第三者を交える方法も
親子だからこそ話しづらいこともあります。
「お金のことを聞くと財産目当てだと思われそう」
「親がいつも話をそらしてしまう」
「兄弟姉妹で意見が違う」
という場合には、第三者を交えて話す方法もあります。
専門家が入ることで、
「誰かの意見を押し通す場」
ではなく、
本人がどうしたいのかを整理する場
にしやすくなることがあります。
特に終活は、
- 医療
- 介護
- お金
- 法律
がそれぞれ関係します。
法律手続きだけを決めるのではなく、本人のこれからの生活全体を考えることが大切です。
まとめ|親の終活は「これからどうしたい?」から始めよう
親の終活で最初にすることは、遺言書を書くことでも、財産をすべて洗い出すことでもありません。
まず、
「これからどう暮らしたい?」
という本人の希望を知るところから始めてみてください。
家族で確認しておきたいのは、
- 医療・治療
- 介護・住まい
- お金・財産
- 相続・遺言
- 葬儀・亡くなった後の希望
の5つです。
すべてを一度に話す必要はありません。
薬や通院、テレビ、家族の出来事などをきっかけにして、少しずつ会話を重ねていきましょう。
「うちはまだ大丈夫」と思っているときこそ、本人の希望をゆっくり聞ける時期でもあります。
藤沢市で親の終活についてお悩みの方へ
おもいつむぐ行政書士事務所では、藤沢市を中心に、終活・遺言・任意後見などのご相談を承っています。
また、
「親に終活の話をしたいけれど、家族だけでは切り出しにくい」
という方に向けて、「お薬と相続」家族会議サポートを行っています。
薬剤師・ケアマネジャー・FP・行政書士としての知識を活かし、相続の手続きだけではなく、
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